無意識行動の改革
Posted: December 15, 2014
久しぶりのつれづれ、である。
書生はサッカーファンである。特に日本代表の動向はよく追っている。つもり。
今回は、 2010年南アフリカW杯の指揮官である岡田武史元代表監督から学んだことをつれづれと綴る。
ちょっと古いが、お付き合いくださいませ。
youtubeで、南アフリカ後に出演した、カンブリア宮殿でのトークを見た。
なんでも、岡田さんはW杯ベスト4という目標を達成するために、
チームとして勝つ
だけではなく、
個でも勝つ
必要があると考えた。って書いてしまうと当たり前な気がするが、
それまで日本人は個ではなくチームとして力を発揮するという先入観があったが、
なんで個で勝てないのかという素直な疑問を、アドバイスを求めにいった専門家から言われ
そういう考えに至ったとのこと。
そこで取り組んだことの中で印象的だったのが、
日本人が無意識に行っている行動の改革
である。
岡田さんは、日本代表の過去の試合を見返したところ、結局、球際での勝負で負けているケースが多く、
それが失点につながっていることを認識した。
球際で勝つためには、競り合ったあとにこぼれた球をこちらのものにする必要がある。
そのためには競り合うための体幹はもとより、競り合った後にボールをものにする走り出しを早くする必要がある。
選手達の走り出しを見てみると、ほとんどの選手が、走り出す時には強く踏み出すために、
一度片足を後ろに引いていることが分かった。
この行為は、一件合理的な動作に見えるが、実際には、一歩目はすぐ前に踏み出す方が速く走れるのだ。
このことから、岡田さんは走りの改革を行ったと言っていた。
これを見て、書生は思った。
普段我々が無意識のうちに、またそれがさも合理的だという理由で無意識のうちに、
俗にいう常識になっている方法論について、実は逆にする方が正しい、ということがあるのではないか、と。
最近、デカルトの、全てのことは疑わしき、という言葉を意識しているせいもあるか、
こういった、分かっていそうなことを一度振り返ると、何か新しい事が見えてきそうな気がしてわくわくする。
また、この走りの例をもっと具体的なレベルで応用しようとすると、
思いつくのは、
目的があった場合に、行動前にあれこれ考えたり、そのために必要な手はずを整えるよりも、
まず先に行動し始める方が結果的に目的を達成しやすい
ということだろうか。
これは例えばソフトウェア開発において、
アジャイルの方がウォーターフォールより良いとか、そういう意味ではなく、
目的を持ちつつ、それに関して、何か機会があった場合にはまずトライしてみる
というのが重要ということだろうか。
もっとも、競り合うための体幹のように、機会をものにするために日々鍛錬を積む必要はある。
むしろ、知識や能力は、そういった機会、駆使するために習得するべきであり、
習得自体が目的になってはいけない。
なんか、こうなってくるとだいぶ当たり前の話になってきてしまったような気もするが、
このように掘り下げて考えてみると、
本質的にはどの分野の知見もつながっているようだ。
と、久しぶりにつれづれつづってみたのであった。